フィギュアスケート分析ノート
自己流に、マイペースで、のんびりと。
「プレロテ減点」、貴方は賛成?反対?
今回はプレローテーション(prerotation)について触れたいと思います。
この記事は「プレロテ」を取り上げてほしいというリクエストをいただき書き上げました。

プレ・ローテションとは?

グリ降りがあるように、グリ上がりでジャンプの回転数を空中でなく氷上で稼ぐ”チート”とされている技です。

この記事でいう「プレロテ」は、トウを突いてから半円以上(180度以上)氷上で稼ぐ行為を表すものとします(90度の容認分を含む)。前向き離陸ではなく、前を向いてもまだ氷上を離れず、もう少しグリってから上がるジャンプの事です。※

プレロテは技というか、癖です。回転数を増やすため、回ろう・回ろうとしていつの間にかついてしまった癖。エッジが怪しいジャンプと同じで理想ではない飛び方ですが、ジャンプはすでにあれよこれよと求められてるので、現状はほぼ黙認されてると思います。

個人的に、プレローテーションの減点は反対です。すくなくとも、回転不足・転倒・エッジ判定のような「-1点引かれた」とわかるような減点は反対です。そんなことにすれば、絶対フェアに機能しないのは目に見えていますし、着氷だけでも十分不公平だと感じる判定があるのに、さらなる「終わらない議論」の始まりにしかならないでしょう。スルーされるプレロテとそうでないプレロテジャンパーが必ず出てきます。それに、トウジャンプ(T,F,Lz)はまだしも、プレロテが当たり前のエッジジャンプ(S,Lo,A)などの判定はどうすれば・・・。

※ガイドブックにはプレロテの減点はありえると書かれていますが、GOEの詳細が出されないため、減点の理由が「プレロテだった」かどうかはわかりえない仕組みになっています。


* * *


最近、また「プレロテ」という言葉が一部で流行りだしたのは、どうやら宮原選手が活躍してるからっぽいんですよね。宮原選手はジャンプが低めなので「本当に回っているの?」とスローモーションで動画再生をしてチェックしてしまうスケオタが多いと思います。そのためか、あれもこれもと気の毒なぐらいにダメだしされるようになりましたが、こういったダメだしは優秀な選手にはつきものですし、優秀な選手の誰もが通る道の1つだともいえるかもしれません。

果たして宮原選手のプレロテがほかのトップアスリートたちと比較しても、特別酷いのかを確認してきました。その結果、もし宮原選手のプレロテを減点するなら、今シーズン好調のメドデベワ選手をはじめ、ロシア人選手達のジャンプも減点されなければおかしいと感じました。

メドデベワのジャンプ:
evgenia-prerotation-2a.png
evgenia-prerotation-toeloop1.png 

ポゴラリヤのジャンプ:
pogo-prerotation1.png 

ラディオノワのジャンプ:
radionova-prerotation-.png 


宮原選手のは検証されてる人が多いので、拾ってきました:NHK杯宮原

このように、ロシアっ子たちもプレロテしていますが、ジャッジは減点していません(厳密にはGOEの詳細が不明なのでわかりませんが、GOEの高さから見てプレロテジャンパーだという認識はされてないだろうと推測。後、彼女たちが「プレロテジャンパー」かの判断も皆さんに任せます)。ロシア人選手達は問題ないが、宮原選手のはアウトと判断する人たちは、いったいどこからアウトだと判断してるんでしょうか。

ただ、このプレロテに関しては、この4選手(メド、ポゴ、ラジ、宮原)を比較したときに、プレロテするジャンプの種類が多いのは宮原選手です。宮原選手は1つ目のジャンプからプレロテしていますが、ロシアッ子たちは2つ目のトリプルトウをプレロテしてます。しかし、「2つ目以降はプレロテOK」というルールが無いので、宮原選手のジャンプだけが減点されるのもおかしい。

思い返しますと、

「プレロテ」という単語がとても流行ったのが、バンクーバー五輪シーズンを迎える時期に、ガイドブックに新たに「プレロテとフルブレエードは減点対象」と注意書きが書き加えられた頃でした。ヨナはプレロテは少ない選手でしたので(グリ降りは有り)、ヨナ信者には嬉しい書き加えでした。ソトニコワ優勝の時も、プレロテがどうのこうのと語り、ヨナ信者はヒート・アップしていましたね。

・・・・しかしですよ?

散々話題になってるこのプレロテやフルブレードによる“減点”とやらは、具体的にいつ、どのタイミングで、機能しましたかね??画面をかる~くタップして+1、+2、+3と点数が与えられていますが、具体的にGOEのプラス面・8項目のうち何が満たされたかなんて不明です。それと同じように、具体的に「なぜ-1であって、-2じゃないのか」ということもわかりません。不明です。ジャッジの主観が尊重されるスポーツですし、ある程度のばらつきが見られるのは毎回のこと。

そもそも、着氷の角度ですらここまで議論になっているのに、さらに離陸までっていうのはちょっとね・・・。コラーがOK出してても、ジャッジが主観で回ってなかったと判断したら減点できる競技ですし・・・(GOEマイナス要素:「回転が足りない (記号無し)」)。

同じようなミスをしてても、選手によっては目をつけられ、選手によってはスルーされるような競技ですから、プレロテが「ディダクション(規定による違反:例、転倒等)」枠で減点されるようになったら、余計に不公平な格差が作られる事は目に見えています。プレロテまで減点対象にしてたらキリがないですし、黙認している今のスタンスが一番平和的じゃないかなと思います。


追加(Mar24)

日本語版テクニカルパネルブックより:

ごまかした踏み切り

明らかに前向き(アクセル型ジャンプの場合には後ろ向き)踏み切りのジャンプは、ダウングレード判定のジャンプとみなされる。トウ・ループが、最も一般的に踏み切り時にごまかしがあるジャンプである。テクニカル・パネルが、(しばしばコンビネーションやシークェンスにおいて)踏み切りでのごまかしでダウングレードかどうか決定をする際に再生で確認することができるのは通常速度のみである。






余談:一部、変な主張や叩きをしてる宮原アンチがいるみたいです。たとえ事実に基づいて選手の家族使って、選手を叩く事ですらタブーなのに、酷いこじ付け&妄想で宮原選手の家族を叩くなんて、スケートオタクを名乗るのをやめてほしいぐらいです。

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見分けがつかないジャンプ??【サルコウ&トウループ&ループ】
羽生アンチ(?)がフィギュアスケート動画まとめサイトさんのコメント欄に、「羽生選手のサルコウが正しくない」みたいな書き込みをしてから、それに賛同したり反論するコメントが見られました。

正直・・・
:(;゙゚'ω゚'): サルコウとトウループの見分けがつかない・・・だと!?という驚きはありましたが(トップアスリートのジャンプにケチつけるぐらいの人が?という意味で)、一部のファンの主張としては、羽生選手や浅田選手タイプのサルコウがトウジャンプに見えるのは、「ハの字」じゃないからだとか。

今回は、
「なぜサルコウがループじゃないのか」
「なぜサルコウがトウループじゃないのか」

という、ちょっと変わった視点からジャンプの違いを解説していきたいと思います。


Part1 【サルコウがループではない理由】

サルコウとループが似てるように見えなくもないのは、どちらもエッジをフルに使って流すように飛ぶからかなーと思います。

まずサルコウジャンプ
左足に注目してください。
salchow-tech0.png
踏み切る足と、着氷する足が。テイクオフはインエッジ。
サルコウの定義:バック・インサイドエッジで踏み切った足とは反対の足で着氷する事。

そしてループジャンプ。
右足に注目してください。
loop-tech1.png 
アウトエッジの足で踏み切り、着氷もしてますね。
(サルコウは左足で踏み切り)
loop-tech2.png 

~ サルコウとループの違い・まとめ ~

サルコウは踏み切り&着氷の足が違う。
ループは踏み切り&着氷の足が同じ。

サルコウは左足をインエッジにして踏み切る。
ループは右足をアウトエッジにして踏み切る。


Part2 【サルコウがトウループではない理由】

(´・ω・)むしろ、なにが似てるん?という疑問が私の中にありますが、とりあえず違いを説明していこうと思います。

トウループジャンプ。つま先を突いて飛び上がるジャンプ。
toe-tech.png 
トウループジャンプは、ループと同じように、踏み切る足と着氷させる足が同じなので、コンビネーションジャンプの2つ目・3つ目に使用できるジャンプです(ちなみに、上記は浅田選手の2つ目につけられた「+3T」)。フリーレッグを氷にトウピックで突きたて、飛び上がるジャンプ。ループやサルコウにはトウで突くような動作はありません。

左足に注目してみてください。


トウループジャンプ、テイクオフ時の左足の様子:
toe-tech2.png 
左足がトウをつき、その場で浮き上がり、そのまま空中姿勢に入ります。

サルコウジャンプ、テイクオフ時の左足の様子:
salchow-tech2.png 
左足をインエッジに(親指側にブレードを倒)して、
ブレード全体を氷上につけ、ブレードを滑らせて飛び上がる。

☆★トウループ・ジャンプは、ブレード全体(エッジ)が氷上につかず、トウを突いた勢いで飛びあがるトウ・ジャンプで、サルコウは、ブレード(エッジ)を氷上にべったりつけて流れを作り飛び上がるエッジ・ジャンプです。

羽生選手のジャンプをご覧ください。

トウループ・ジャンプ(進行の向き←←)
yuzu-toesample.png

サルコウジャンプ(進行の向き→→)
yuzu-salchowsample.png

「流す(ブレードを氷上につけて使い流れを作る)」という点では、ループとサルコウは似ていますが、テイクオクがアウトかインかという大きな違いもあり、さらにサルコウは「(左足)インで離陸、(右足)アウトで着氷」・ループは「(右足)アウトで離陸、(右足)アウトで着氷」という点でも違いがあるので、この2つのジャンプの見分けがつかないなんて事もないです。

(左、サルコウ。右、ループ)
salchow-tech3.png 

~ サルコウ&ループとトウループの違い・まとめ ~

サルコウはエッジ・ジャンプ、トウループはトウ・ジャンプだという
歴然とした違いがあり、なぜこのような議論(?)になってるのかがわからないです。

サルコウとループは「エッジジャンプ」類で、エッジ(ブレード全体)を氷上にべったりつけて飛び上がるジャンプです。アクセルジャンプもエッジ・ジャンプです。
一方でトウループ・ジャンプはトウをつきたてた勢いで飛び上がる「トウ・ジャンプ」類です。ルッツやフリップもトウ・ジャンプ類です。「エッジが~!」と議論になりやすいフリップやルッツが「トウ・ジャンプ」で、ループやサルコウが「エッジ・ジャンプ」だというのは、なんだか面白い感じがするかも?

【ハの字って・・・】

「ハの字」の見分け方って、私がフィギュアの勉強を始めたころに使っていた「ルッツは足元がV字」みたいな見分け方と似てるなと思いました。

ラディオノワ選手と町田選手のルッツ
(上:トウが突く直前→下:突いた瞬間)
toepicks.png 

多くの選手は、左のラディオノワ選手のように、左足のエッジと右足のトウピックがアウト(小指側)に倒れ、どことなく「V字」( \ / ←こんな感じ)に見えるのですが、右の町田選手はトウを突く足のブレードがイン(親指側)に倒れているので、V字っぽくなりません( \ \ ←こんな感じ)。初心者だった私が、「2つのブレードの様」を「ひとつの形」として捕らえ全体のイメージでジャンプを覚えたように、「ハの字」論はサルコウ判定には無関係であるもう片方のブレードも含んだイメージでサルコウを語っていますね。


サルコウは「ハの字」のイメージがあるぐらいですから、両足で飛ぶイメージが強いかもしれませんが、幼き浅田選手は片足だけで4回転サルコウに挑んでいました。厳密には「右足が一度も氷に触れず、左のエッジだけでテイクオフしてる」という意味です。

chibi-mao-salchow.png
画像にも書き込みましたが、サルコウの定義はしっかり満たしています。
それと、「く」が抜けていますね・・・
→フリーレッグ・一度も氷上につくことな「く」サルコウを飛ぶ、です。

わかりにくい点、または誤った点がありましたらご指摘ください。
それでは!

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