フィギュアスケート分析ノート
自己流に、マイペースで、のんびりと。
ロシアンスケオタによる世界選手権男子SPの本気分析
※私が行った分析ではありません。分析したのはロシアのブロガー・Yulenaさんです。
ロシア語さっぱりなので、なんとな~くわかる(と思ってる)箇所だけ取って来ました。
※Gifは原文そのままから持ってこようと思ったのですが、重過ぎてFC2でアップロードできず。いつもどおり、gifyoutubeからgifを作って持って来ました。
※Google先生がしらない専門用語だらけだったので、検索作業でかなり時間を食われました。がんばりましたよ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。


原文: Чемпионат мира. «Бантики и пуфики»(с) мужского турнира (URL)


すごく時間をかけて丁寧に分析したのがわかるので、みなさんもぜひ足を運んで、ツイッターを使う方は、ツイッターで拡散したら喜んでくださると思います。イントロの箇所は、Google先生の翻訳ではあまりにも意味がわからなかったので、翻訳をあきらめました。

※赤文字=たぶんこうだと思う系の翻訳、もしくはギブアップしたもの。

繋ぎ(TR)の評価は下記を基準にされている。
多様性 (Variety):

フットワークによる繋ぎ - footwork transition (動作や回転)

ステップ(足換え有り):基礎、ラン、クロスオーバー、シャッセ、クロスロール、トウピックを使ったステップ、モホーク、チョクトウ、その他。
 ターン(足換え無し): スリー、ツイズル、ループ、ブラケット、カウンター、ロッカー。

スケーティング動作による繋ぎ(フィギュアの要素) - skating movement transition (イーグル、イナバウアー、ピヴィット、ハイドロブレーディング、スパイラル、ラウンジ、アラベスクスパイラル(基本姿勢のスパイラル?)、ダック(Duck, shoot the duck)、アラベスク)

身体動作による繋ぎ(頭・腕・胴)- body movement transition;

その他禁止されておれず、指定されていない技術的な要素[リストに無い要素によるつなぎ] - non listed element transition (ホップ、マズルカ、インサイド・アクセル、ハーフ・ループ、ウォーレイ、スプリットジャンプ&ロシアンスプリットジャンプ、バレージャンプ、アラビアン・バタフライ、ワルツジャンプ、полуаксель)


難易度(Difficulty) - フテップを踏みながら胴体、頭部、手などを動かし、方向転換なども行うこと。

つなぎの技は単純か複雑かに分けられる。たとえば、モホークは単純で、チョクトウは複雑;スリーターンは単純なターン、カウンターやブラケットは複雑。両足ステップは片足ステプより簡単。イナバウアーは複雑なスパイラルで、ウォーレイはハーフループより難しい。方向転換(時計回り・または反時計回り)や身体をより使うことにより、つなぎの難度はあがっていき、それらはこの項目(Difficulty)に反映されるべきである。

複雑さ(Intricacy)- 要素をこなす前後の動作のオリジナリティや複雑さ。

要素の直前に実地され、要素を終えた直後に行われた技の評価。要素へのアプローチや終え方はGOEだけでなく、PCSのTRとCHにも反映される。長い準備時間は”複雑さ”の基準からはずれ、TRの評価を下げる。

クオリティー(Quality) - つなぎの正確さ



それではまず、技の数やクオリティだけではなく、クロスオーバー・片足で行うつなぎ・多様性の比率をみてみましょう。そのため、下記を考慮する:

footwork transition(フットワークで行うトランジション):ランニング・ステップやクロスオーバー、スリー(単純な片足ターン)や難しいターン(ロッカー・カウンター・ブラケット、ツイズル、ループ);

スケーティング動作で行うトランジション - フィギュアスケートの要素 (イーグル、スパイラル、イナバウアー、ランジ、など。)

つなぎ要素のリストに載っていない物 - 技術評価の項目に含まれていないもの(ホップ、スプリットジャンプ、など)



まずは、(ジャンプの入りと出の)繋ぎの多様性と複雑さや、つなぎのクオリティから見て見ましょう。


ステップシークエンスやコレオグラフィックシークエンスは別に評価されてるので、考慮しない。

それでは、羽生結弦、パトリック・チャン、ハビエル・フェルナンデス、ミハエル・コリャダー、宇野昌磨、ボーヤン・ジンとアダム・リッポンのショートプログラムを見てみよう。

すべての技は含まれておらず(読者を退屈にさせないために)。7つのプログラムで見られたジャンプ要素への入りと出の技の詳細はテーブルやチャート、そしてGifで紹介しよう。

ショートプログラムで行われたさまざまな技をまとめたテーブル:
russian-fan-males.png


片足スケーティング・クロスオーバー・そしてその他技の比率(ショートプログラム)
russian-fan-males2.png

[[グラフの翻訳は、英文ブログ「We see the things we are」の「April 7th 2016」を参考にさせていただきました。]]

片足スケーティングが1番多いのは羽生結弦。ほぼチャンの2倍多く、フェルナンデスより3倍多い。片足スケーティングが少ないのはリッポン、宇野、ボーヤン。コリャダーは中間。

クロスオーバーが一番多いのは宇野。一番少ないのは羽生。コリャダー、リッポン、ボーヤンは同じぐらい。

ショートはソロで3回転か4回転ジャンプを試みる場合、ステップから飛ぶ。ステップの間、もしくはステップを終えた直後にギャップ(休止)がある場合はGOEから減点-1/-2され、ステップがない無い場合はGOEから減点-3される。

「複雑の入り」の基準とは?私の意見ですが、ジャンプに入る前のステップや動作が選手のバランスを崩しやすければより複雑だといえる(例:ユズとハビの3Aの入り方は、マニュアル通りのステップだけではなく、その他フィギュアの要素(足技?)をも含めている)。また、最後のステップを踏んだ同じ足でジャンプを跳ぶことも含まれる(例:ユヅルの3A(ショート)・ユヅルの3F(フリー))。

「ジャンプする直前の明確なステップ」の基準とは、ジャンプの前に明確で正確なステップが踏まれ、ステップとステップの間に休止せず、すぐにジャンプが試みられていることを示す。

下記で紹介してるGIFはショートプログラムのソロ・ジャンプへの入りです。わかりやすいでしょう?連続ステップで滑らかにジャンプの実行されているものと、ステップまたはその間に休止が入るジャンプとの違いが非情にわかりやすいです。


4S Yuzuru Hanyu (複雑な入り・ジャンプ直前にステップ+複雑な繋ぎ)


3Lz Patrick Chan (複雑な入り・ジャンプ直前にステップ)


3Lz Michael Kolyada (複雑な入り・ジャンプ直前にステップ)


3Lz Adam Rippon (複雑な入り・ジャンプ直前にステップ、しかしジャンプ直前に休止する)


4T Shomy Uno (ステップ中に休止)


4T Bojana Jin (ステップ中に休止)




ショートプログラムのジャンプ要素、入り
[[赤文字のものは、フィギュアスケート用語辞典には載っておらず、Googleで単語+フィギュアなどをいれて検索していった結果、一番近そうなのを入れました。ただ、"arc"の意味合いが私にはわかりません。]]


Yuzuru Hanyu


Кораблик - тройка - моухок - 4S - кораблик наружу
イーグル - スリーターン - モホーク - 4S - イーグル

Чоктау - моухок - шассе - тройка - 4Т+3Т
チョクトウ - モホーク - シャッセ - スリー - 4T+3T

Бауэр - тройка - шассе -выкрюк - 3А - перетяжка - выкрюк
イナバウアー - スリー- シャッセ- カウンター - 3A - チェンジ・オブ・エッジ - カウンター


Javier Fernandez

Обманный через моухок - простой разворот - тройка - 4Т+3Т

単純なバックストロークからモホーク - 単純な反転 - スリーターン - 4T+3T

Тройка- моухок - тройка - моухок - 4S

スリー - モホーク - スリー - モホーク - 4S

Подпрыжка - выпад - тройка - бауэр - перекрестный - перетяжка - 3А
ホップ - ランジ - スリー イナバウアー - クロス - チェンジ・オブ・エッジ -3A


Bojan Jin

Моухок - 4Lz+3T
モホーク - 4lz+3T

Перетяжка - крюк - перетяжка - 3А
チェンジ・オブ・エッジ - ロッカー - チェンジオブエッジ - 3A 

Моухок - тройка - шассе - моухок - шассе - моухок - 4Т
モホーク - スリー - シャッセ - モホーク - シャッセ - モホーク - 4T


Mikhail Kolyada

Шассе - моухок - простой разворот - тройка - 4Т+3Т

シャッセ - モホーク - 単純な反転 - スリー - 4T+3T 

Шассе - скобка - встает на дугу  - 3А
シャッセ - ブラケット - 円弧状に上昇(?) - 3A

Бести - крюк - шассе - 3Lz
ベスティスクワット - ロッカー - シャッセ - 3Lz


Patrick Chan

Обманный через моухок - простой разворот - тройка - 4Т+3Т

単純なバックストロークからモホーク  - 単純な反転 - スリー - 4T+3T

Тройка - моухок - шассе - дуга RBO - 3А
スリー - モホーク - シャッセ - дуга RBO - 3A

Подпрыжка - чоктау - моухок - кросс ролл - моухок - 3Lz
ホップ - チョクトウ- モホーク - クロスロール - モホーク - 3lz 


Adam Rippon


Шассе - моухок - тройка - 3F+3T

シャッセ - モホーク - スリー - 3F+3T

Шассе - дуга RВO - 3А
シャッセ - RBO - 3A

Кораблик - шассе - валлей - шассе - чоктау - шассе - 3Lz
イーグル - シャッセ - ウォーレイ - シャッセ - チョクトウ - シャッセ - 3Lz


Shoma Uno


Чоктау  - шассе - чоктау - шассе - простой разворот - тройка - 4Т

チョクトウ - シャッセ - チョクトウ - シャッセ - 単純な反転 - スリー - 4T 

имитацию чоктау (переступанием на двух ногах без отрыва первой ноги)*
*どちらのケースも、ショーマはチョクトウを真似たものを披露した(最初の足を氷上から離さず、両足でステップを踏んだ)*

Кораблик - 3А - перетяжка - fan spiral
イーグル -3A - チェンジオブエッジ - ファンスパイラル 

Шассе - моухок - 3F+2T
シャッセ - モホーク - 3F+2T


以下、分析結果を華麗にYulena氏がまとめてくれてるのですが、変にロシア語難民が翻訳することはやめて、彼女の評価だけを切り取ってきました:

多様性 (Variety)
羽生 - very good
チャン- very good
フェルナンデス - good
リッポン- 平均(good寄り)
コリャダー - good寄り
ジン- 平均
宇野 - 平均
難易度 Difficulty
羽生 - very good
チャン- very good
フェルナンデス - good
リッポン- good寄り
コリャダーgood
ジン- 平均
宇野 - 平均
複雑さ complexity
羽生 - very good
チャン- good
フェルナンデス - good
リッポン- good寄り
コリャダー-good
ジン- 平均
宇野- 平均より上
クオリティ quality
羽生 - very good
チャン - very good
フェルナンデス - good
リッポン- good
コリャダー-good
ジン- がんばれ :)
宇野-good寄り
 

興味深い観察:) トップはショートもフリーも大体同じアプローチでジャンプを飛んでいる(例:チャンの4Tと3A、フェルナンデルの4Tと4S)。1つだけのアプローチだとシンプルで慣れやすいのはわかるが、2つのプログラムを一緒にみたときに、複雑さと多様性を語るのは難しい。

以上、ここまでが翻訳(意訳)です。

ロシア語わかる人教えて!と書こうと思ったのですが、ロシア語難民すぎて、たとえ教えていただいてもその翻訳が正しいかどうかを確認するすべがないので、”正しい翻訳”を公開コメントで書き込んでいただけると一番助かります。

★★原文: Чемпионат мира. «Бантики и пуфики»(с) мужского турнира (URL)★★

☆☆Yulena氏は現在、男子フリーの分析にも取り掛かっているそうなのですが、なにぶんとても時間のかかる分析作業なので、もう少しかかるとの事です。

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熊子さま
これほどの翻訳どれほど大変だったでしょうか。本当にお疲れ様です。すごく楽しくて何度も読んでます。羽生選手、中身の濃さが全然違う。PCS49越えも納得です。
勉強も兼ねてゆっくりじっくり読ませてもらいます。楽しい記事をありがとうございます。
あい | URL | 2016/04/21/Thu 18:46 [Edit]
こうやって並べて動画をみると、チャンの滑りがいかに卓越しているか・・・並べなくてもわかっていましたが、改めてほれぼれしました。
まゆ | URL | 2016/04/22/Fri 00:02 [Edit]
翻訳お疲れ様です
熊子様

とても分かりやすい比較動画と記事、ありがとうございます。
皆素晴らしいですが、改めてゆづがいかに難しい事をやって高得点が出せるのかがよく分かり勉強になります。
頭ごなしに八百長ガー城田ガー男版キムヨナガーと吠えている某オタにもぜひ見て頂きたいのもです。
ところで、{{クオリティ・・・ジン- がんばれ :)}}ってwww
ボーヤン君可愛くて大好きだけど平昌ではゆづやしょーま君にとって一番脅威になりそうです。。。


nanashi | URL | 2016/04/22/Fri 11:53 [Edit]
この方にはぜひ女子も分析していただきたいです。
ソチではすっかすかでも高得点でてましたよね。
たった2年ですっかり点のでかたが変わってしまいました。
ISUもこういう風に滑れば例えノービスあがりだとしても(ありえんけど)pcsを9点以上だすぞとかgoeをたくさんつけるぞとか明確に示した方が選手も分かりやすいと思うんですがね。
そしてベテランのpcs救済はいっさいなしとかはっきり提示すればいいのに。
シーズン始まってみないとどういう点のでかたをするかわからないというのが・・・
他の競技じゃありえんわー。
run | URL | 2016/04/22/Fri 18:09 [Edit]
■あい様
喜んでいただけたようで嬉しいです。この記事はロシア語のみでしたが、他にも羽生選手の分析記事を書かれたようです。Yulena氏が書いた一部のロシア語記事は、Chibuna氏をはじめYHIFG(yuzuru hanyu international fan group)のメンバーが英語に翻訳したものをchibuna氏のブログに載せてくれてますので、私が今度あげる羽生選手の分析記事は、英語に翻訳されたものを日本語に翻訳して載せる予定です。


■まゆ様
後は衣装をなんとか・・・(笑)!来シーズンもたぶん続けてくれると思うのですが、公式発表はまだですよね・・・。


■nanashi様
トップスケーターたちのジャンプの入り方も説明されていて、本当にありがたい分析記事だと思ったので、紹介したいと思いました。今勉強してるスケオタも、未来のスケオタも、こういう記事がみたかったんだー!と感じるだろうと思いまして。Yulena氏に感謝します(英文翻訳に励んでいるChibuna氏にも)。


■run様
リプニツカヤ選手の今シーズンのショートプログラムの分析記事がありました。女子の分析は、個別(ロシア女子)のみみたいです。
熊子 | URL | 2016/04/23/Sat 19:28 [Edit]
熊子様、お疲れさまでしたm(u_u*)m

私はステップは不勉強で、難しくてと苦手意識だったのですが、
このような記事を上げていただき、わかりやすいGIFも掲載されて、
勉強になりました。いつも熊子さまの記事には、頭が下がる思いです。
百合 | URL | 2016/04/24/Sun 10:32 [Edit]
初めまして
各選手の繋ぎの量を表すグラフですが、
ボーヤンとパトリックが逆になっていないでしょうか?
匿名 | URL | 2016/04/25/Mon 06:52 [Edit]
(゚д゚;)!
誤りを見つけてくださって、ありがとうございます!

追加:上書き保存しましたので、以前この記事を観覧された方は、もしかしたらブラウザーがイメージを記憶して前のままに見えるかもしれませんが、ちゃんと差し替えました。ご指摘ありがとうございました。
熊子 | URL | 2016/04/25/Mon 11:54 [Edit]



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